ニーズの洗い出し

 超高齢社会への突入に伴い,先進国においては高齢者・障害者・有病者を精神的,身体的に支援するテクノロジーへ大きな期待が寄せられている.近年,手術支援ロボットda Vinci やリハビリ支援ロボットHAL などの医療福祉ロボット(先端医療機器・福祉機器)が実用化され始めており,医療や福祉の現場において機械工学が果たすべき役割は非常に大きい.ただし,真に医療福祉分野で役立つものを作るためには,機械工学(シーズ)ベースのものではなく,医療従事者や福祉従事者などの専門家との徹底した議論を通して把握できる医療や福祉の現場のニーズをもとにした技術開発というアプローチが必要不可欠である.
 医療機器や健康機器,医療・福祉技術などに関わる広い意味での医療健康産業における機械工学,機械技術は極めて重要であり,これら分野等のニーズと連携して,物づくりの産業分野との連携を推進することは,これからの機械工学における重要なテーマである.医療福祉の現場のニーズに基づいた超一流の機械工学を実現することで,真に役に立つ医療福祉機器を開発することができ,超高齢社会を活気に満ちた社会とすることができる.

 その際に我々に求められているのは,決して医師などの医療関係者の真似事をする「二流の医学」ではなく,「超一流の機械工学」であることであることを忘れてはならない.これは「優れた成果を出すためには超一流のドクターと超一流のエンジニアがしっかり頑張らなければならず,そこでのエンジニアは医者の真似事をしてはならず一流の工学を極めることを期待されている.」であり以後の私の研究の立場になっている.その結果が上記の研究取り組みである.  

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